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懲戒を許さない会通信
第15号
2002年3月18日
反対意見を封殺する懲戒請求を弾劾し、会内民主主義を守る会
略称「懲戒を許さない会」
東京都港区虎ノ門 1−1−11−4F
「憲法と人権の会」気付
TEL:03-5157-5488FAX:03-5157-5489
東弁・二弁綱紀委
議決目前に迫る
11・1臨時総会懲戒請求事件
反対意見封殺の懲戒請求を許すな!
11・1臨時総会懲戒請求事件について、東弁、二弁綱紀委は、近日中に議決
を行おうとしています。
◆ 二弁綱紀委では、被調査人側の請求した総会当日の進行に関わる証人調請求や請求人本人事情聴取書の謄写も一切認めず
、実体判断がなされることになります。
◆ 東弁綱紀委では、吉野正仮議長への書面による調査を行いましたが、その内容は一方的で被調査人側の尋問希望事項は全く無視され、他の証人については一切事情聴取をしないまま審理を終結しました。
◆ 本件は、日弁連総会における言動を巡って反対意見を抑止・封殺するために不当な懲戒請求がなされたものです。これは政治的目的による不適法な申立であり、即時却下されるべきことを私たちは求めてきました。しかし、綱紀委は実体審理にはいるとしながら、総会当日の進行にかかわる小堀議長等重要証人の事実調べすらしないまま結論を出すというのです。このような、不公正な審理手続きによって結論を出すことが許されてはなりません。いかに綱紀委であっても、その結論によっては多大な不利益を被調査会員に課するものである以上、被調査会員の防御権は最大限保障されるべきです。
弁護団長の土屋公献先生が意見書(下記)を東弁綱紀委・二弁綱紀委に提出しました。
◆ 調査打ち切りによる議決を許すな!
土屋公献団長 意 見 書
(要旨)
第1 請求の不適格性について
○ 綱紀・懲戒制度は弁護士自治のために設けられたものでありますから、その運用に当たっては、手続上も実体上も「自治」の観点を最大級に活かすべきものと考えます。
○ 日弁連の総会は、自治団体の最高の意見決定機関であり、従って総会における会員の発言は最大限に尊重され、討論が十分に尽くされたうえで、慎重に採決がなされる必要があります。
○ 各会員は、自己の発言の効果を最高に発揮するため、あらゆる表現手段を保障される必要があり、濫りにその表現手段が制限されることがあってはならないのであります。
○ 私は、総会が前述のように自治団体の最高の意思決定機関であることに鑑み、会員に最大限の意見表明手段を保障するという趣旨から、総会内の出来事は総会内で処理すれば足りる、即ち総会の自己決定権、自己完結権を認めるのが正しいと考えます。
○ 会員が重要議題や議事運営上の問題に対する自己の意見をあくまで強く主張するに際して、相当の熱意を込めることは当然許されるべきで、時には激する余り多少礼を失した乱暴な言動をすることあり得るのであって、それをいちいち咎め立てをしていたのでは、闊達な討論が期待できなくなるからです。極端な場合には議長の制止や発言禁止によって対応するのがふさわしく、これに従わない者を退場させれば、それで十分議場の秩序は守られるのであり、これらの権限を有効に駆使することが議長の能力として期待されています。
○ 品位を害する言行を議場整理権の対象として殊更に、懲戒事由の規定の外に挙げたのは、自治の最高機関としての自己完結性に由来するものであります。従って、例えば退場を命ぜられる程に品位を害する言動をした会員でも原則として改めて懲戒請求を受けることはないのであります。
○ 尤も、これはあくまで原則であり、凡そ総会内の言動はすべて「聖域」内で保護されるというつもりはありません。殆どあり得ないことでしょうが、余程の罵詈雑言(名誉毀損)や卑猥な発言(公然猥褻)、暴行等があった場合、それらは独立して懲戒や犯罪の対象として扱われるのは当然です。
○ 本件被調査会員の言動は、「動議」の効力や議長の議事進行に対する抗議行動であり、退場命令すら発せられなかった程度のものである以上、上記原則に従い懲戒対象としては不適格であり、これについての懲戒請求は正に濫訴でありますから「却下」すべきものであります。制度上「却下」決定は存在しないでしょうが、そのような形式判断理由を付して「懲戒委員会の審査に付さない。」との議決をすべきであります。
○ もし総会議事をめぐる問題で、今後も懲戒請求が出され、それを却下扱いせずにその都度実体審理に入るとするならば、意見対立者に対する報復として、或いは議長の議事運営の不当性等に対する抗議手段として懲戒請求が頻発することも考えられ、総会の最高機関性が危ぶまれるに至る惧れがあります。日弁連や単位会の歴史にとってこれ程恥ずかしいことはありません。
第2 実体審理について
ところが、貴委員会の特別部会は、本件についても実体調査に入ることを決定しました。そうなると、当然に被調査会員の言動を具体的に再確認して、それの当、不当、とくに品位を損う程度であったかどうか、仮に品位を損う程度であった場合でも、それがやむを得ぬものとして正当とされるケースに当るか否かを調査しなければならないことになります。被調査会員の言動は、本件の場合抗議の表明であり、抗議は、その対象となった相手方(議長、仮議長、「動議」の発言者等)の各言動というアクションに対するリアクションであります。リアクションの正当、不当を判断するには、それだけを単一に判断の対象とするわけにはゆかず、そのリアクションを惹き起こしたアクションとの相対関係が当然に問題となります。正当防衛が成り立つか否かの評価には、相手方による急迫不正の侵害の有無が評価されるべきだからであります。
第3 適正手続について
被調査会員を懲戒委員会の審査に付するという決定は、それ自体本人にとって不利益に当る以上、被調査会員には当然防御権が認められ、それには多かれ少なかれ当事者主義的な対審構造が要求されます。誰が見ても手続が公正に運用されているという保障は自治団体にあって特に必要であると考えます。弁護士会は、懲戒権行使の公正、妥当を保持するべきであり、人証申出に対する全面不採用決定等に表れた従来の姿勢は些か偏狭の嫌いがあるのではないでしょうか。
4人の被請求人より
浅井正 : 中坊公平の先導で司法改革の美名の下に政治の世界に足を踏み入れた日弁連は、市民による弁護士会の懲戒手続に対する監督受入れにより弁護士自治を手放そうとしています。
今ここで我々に対する懲戒請求が容認されることになれば手続的正義の逸脱に対し「勇気をもって物申す」弁護士魂は圧殺されることになります。この弁護士魂だけは我々の連帯でなんとしても死守しましょう。
鈴木達夫 : 「3000人・ロースクール」の論議はどう考えても不足していた−先般の日弁連会長選挙が下した結論の一つです。活発な議論を封ずるための懲戒請求がいかに日弁連の合意形成をゆがめるか。「人気凋落」の小泉内閣が戦争国家づくりに踏み切り(有事法制)、日弁連のあり方が待ったなしで問われ、徹底した会内民主主義が必要な現在、こんな懲戒請求を許すわけにはいきません。
長谷川直彦 : 早いもので、総会から2回目の桜の季節。「司法改革」の実体がますます明らかになってきました。戦争と改憲を支える司法=「司法改革」を絶対に許してはなりません。懲戒を許せば、その先にあるのは国策の協力機関としての弁護士でしかありません。サクラチル−こうならないように最後まで頑張ります。
藤田正人 : 2月の日弁連は、会長選挙と綱紀・懲戒制度改悪の臨時総会で大揺れに揺れました。そして、とうとう5000名もの会員が、いまの執行部の司法審路線に“NO!”を突きつけました。
政府・自民党が主導する「司法改革」への反撃はこれからが本番です。私たちに対する懲戒攻撃をうち破ることは、その第一歩です。思いを同じくする会員とともに、弁護士自治を守り抜きましょう。
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