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刑弁ガイドライン策定反対通信NO.55 02/5/31
<事務局連絡先>東京都港区北青山3−15−13−603 鈴木達夫法律事務所(TEL03−5467−8480)
小田中教授の講演に注目! 「戦時司法と司法改革」
【6月7、8日 熱海へ! 争点整理】
<公的弁護制度>
★誰が公的弁護制度をつくろうとしているのか
有事立法の制定に走る小泉首相を本部長とする「司法制度改革推進本部」です。首相は「国家戦略としての司法制度改革」と明言し、公的弁護制度はその柱とされています。
★本部推進計画では、どのように位置づけられているのか
本年3月19日に閣議決定された「司法制度改革推進計画」では、「連日的開廷による集中した審理を実現するため公的刑事弁護制度の整備および弁護士の執務体制の強化」が謳われ、被疑者の防御権の強化などという視点は微塵も見られません。小泉首相も推進本部顧問会議において「裁判は早く行わなければいけない」ということだけを強調しています。「公的弁護制度」は連日開廷による裁判迅速化のための制度の重要な支柱なのです。★検討チームのメンバーはだれなのか
11名の「公的弁護制度検討チーム」のメンバーのうち弁護士は2名(うち1名は元検事)。他は、東京地裁刑事部総括判事、井上正仁司法審委員、最高検検事、警察庁刑事局刑事企画課長、共同通信社論説委員ら。
何故、刑事弁護制度の検討チームなのに弁護士は実質1人だけなのでしょう。「裁判員制度検討チーム」も弁護士委員だけが異なり全員共通メンバーです。弁護士がお飾りでしかないこと、裁判員導入=連日開廷とセットであることが明白です。なお「司法改革関連法案」の立法作業事務局は裁判官が事務局長、次長は検察官と財務官僚が占めています。
★日弁連の意見照会の意味するもの
日弁連は、こうした公的弁護制度推進実体のおぞましい内実を押し隠しています。
「裁判所付設型」 委員の選任は裁判所または内閣が行うとしています。裁判所や内閣のメガネに適った委員のみが構成実体となるような運営機関が司法権力や行政から独立した主体たりうるはずがありません。
さらに、昨年9月18日の刑弁センター制度論部会レポートは、運営主体が登録名簿を作り「準則にもとる不適切,違法,不当な弁護活動は,この登録名簿から抹消する」としています。「裁判所付設型」などと称していますが、実際は裁判所の建物だけを使った弁護活動統制・国家管理システムにほかなりません。
「独立行政委員会」型 人権擁護法案の「人権委員会」を運営主体として考え,公的弁護の運営をも担わせようという案です。しかし、同委員会は「法務省の外局」であり、同法案に対しては現在広汎な立法阻止運動が起こっています。しかもこの案は,司法制度改革推進本部でまったく議論されておらず、日弁連執行部も推進本部に提案はしていません。
★こんな公的弁護は要らない!
このように「公的弁護制度」は、弁護士会を実質的に排除し,被疑者・被告人の利益と真向から対立する国家権力の側から制度構築が進められ、「弁護体制強化」名下に連日開廷=迅速処理のための弁護活動が要求され、国家の治安政策の一環を担う弁護活動への変質が目指されているのです。
現在W杯「フーリガン対策」と称して公安警察主導で警備や入管規制強化、住民の組織化が進められ、弁護士会にも警察から当番弁護士派遣等の「協力要請」がなされたといわれています。捜査弁護が丸ごと治安対策の下請けにさせられようとしているのです。
刑事弁護の国家管理を狙う司法審の公的弁護制度を葬り去ろう!
<裁判員制度>
★なぜ重大事件に導入するのか
陪審制へのステップなどというのであれば、なぜ重大事件から導入するのでしょう。「国民一般の健全な社会常識を直截反映させる」(ナチスの“健全な民族感情”)として、社会防衛論に立った治安強化、迅速処罰・重罰化、弁護活動の国家統制という有事体制下の司法が本当のねらいだからです。
★迅速処罰実現のための裁判員
裁判員制度は、争点整理のための新たな準備手続きと連日開廷を前提にしています。一方、身柄拘束問題については「検討する」とされるに止まり具体性は全くありません。
★重大事件では、裁判員の裁判が強制される
裁判員は、事実認定だけでなく量刑にも関与します。被告人は裁判員による裁判を辞退することは出来ません(司法審)。日弁連内「国民の司法参加部会」でも「日弁連として死守すべきは選択制ではない」「通常の刑事裁判でも迅速化されるから、裁判員制だけに迅速化を持ち出すことは正しくない」等という驚くべき議論がなされています。
★連日開廷(期日一括指定)が原則化
裁判員検討チームのメンバーである井上委員は否認事件で5ないし10日、自白事件で3ないし5日で処理すると司法審で述べています。否認事件をたった10日の「連日開廷」でどのように防御できるのでしょうか。長期勾留を温存した制度のもとで、連日開廷の原則化は、被告人の防御権、弁護人の弁護活動そのものの否定であり圧殺です。連日開廷に耐えられる弁護士を私選で付けられるのは大金持ちだけです。
もはや主観的願望をあれこれ対置して満足している事態ではありません。事態を直視し、推進本部への幻想を断ち切り、ただちに反対運動に立ち上がろう!
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