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刑事弁護ガイドライン策定反対・通信No.57 02/7/5 <事務局連絡先>東京都港区北青山3−15−13−603 鈴木達夫法律事務所(TEL03−5467−8480)
日弁連、政府検討会に「刑事専門弁護士」を勝手に提示
またまたの暴挙です。執行部は、公的弁護制度の担い手として「一人年間100件受任」という“刑事専門弁護士制”を、先日の刑弁センター(熱海)で28:26の強行採決の後、各単位会に意見照会中(8/31期限)の6月25日、政府の公的弁護検討会に勝手に提示しました。会員の意見はもはやどうでもよく、刑事弁護を一部弁護士と「特任検事」等に限定した迅速“処理”(刑弁センターでこの語が登場!)に走っています。このデタラメに対して、「刑事専門弁護士制反対」の圧倒的意見をもって応えようではありませんか。
政府推進本部「検討会」とは?
裁判員や公的弁護制度など司法審路線の具体的立法作業をしているのが政府推進本部(本部長小泉首相)内に設置された検討会チームです。有事体制づくりの「国家戦略」として「司法改革」を位置付け、治安政策の柱に刑事司法の全面的改悪をねらっています。 6月18日の法曹制度検討会は、「市民でつくる綱紀審査会」の議決に拘束力を持たせることを決定しました。日弁連の対案は「市民のための司法」「国民への説明責任」等の議論に一蹴されました(委員11人中8人が賛成)。対案が敗北の水路となったわけです。
★刑事検討会メンバー
刑事関係では「裁判員制度・刑事」と「公的弁護制度」の2つの検討会。それぞれ11名の委員がいますが、弁護士委員1名の顔ぶれが異なるだけで両委員会共通メンバーです。
○11人のうち弁護士は2名ですが、1名は元検事ですので実質たった1人(浦功・前刑弁センター委員長)。他は、東京地裁刑事部総括判事、井上正仁司法審委員(座長)、最高検検事、警察庁刑事局刑事企画課長、共同通信社論説委員などこれに発言権をもつ官僚中心の事務局が加わります。
○学者委員・平良木氏(慶応大)は元裁判官であり、「労働公安事件等をはじめとする特殊な事件については、極めて長期の審理期間を要することがあるし、このような事件の存在が、我が国の刑事裁判全体のイメージを極めて悪くしており、刑事裁判は審理に時間がかかりすぎるとのイメージを国民に与えている」として、アレインメント制度の導入、集中審理、弁護士の大増員により期日指定に応じてくれる弁護士を作れと唱えています(刑訴法判例百選「迅速な裁判」)。
○学者委員・酒巻匡氏(上智大)は、「組織犯罪対策」の観点から証人保護を強調し、既に改悪された証人の遮蔽措置やビデオリンク方式、尋問制限等(刑訴157条の3、4、295条2)に加え、「証人としての出頭・証言に代えて匿名の供述録取書面や録音自体を証拠化」なども「将来の課題」としています(同「証人の保護」)。
〇しかも、これら検討会の公表議事録は、発言者が匿名です。弁護士委員はどういう発言をしているのか、そもそも発言しているのか、まったく不明です。
争点整理 「アレインメント」 「予備審問」 「準備手続裁判官」
★司法審が欲しがっていたアレインメント
司法審は「争いのある事件とない事件を区別し、捜査・公判手続きの合理化・効率化を図ることは、公判の充実・迅速化の点で意義が認められる。その具体的方策として・・有罪答弁制度(アレインメント)を導入することには・・問題点があるとの指摘もあり(*)
(*)・・さらに検討すべき」と、導入したいけれど様子を見ようということでした。ところが、検討会の「当面の論点」ではこのアレインメントが早速取り上げられています。
自白に補強証拠を要求する憲法38条3項に抵触するに止まらず、“司法取引”との表裏関係、捜査権限の実質的強化と誤判防止等の観点から一貫して阻止されてきた制度です。
★「予備審問」で勾留理由開示制度の解消!
刑弁センター提言は、「勾留理由開示公判を当事者対等の身体拘束に関する審理手続きにあらためる手続」に改組するとしています。勾留理由開示制度は、裁判官に勾留原因となる被疑事実や勾留の要件について開示を要求できる制度であり、法廷で不当勾留をなしている裁判官自身に直接釈明を求め、弾劾する有力な武器です。メーデー事件などを機に制限規定が付加されながらも、制度としての画期的意義は些かも失われていません。裁判所がいちばん嫌忌し、なんとか回避したいと思っているのが開示裁判です。この制度をこちらから返上し、単に「身体拘束の審理手続き」に矮小化してよいはずがありません。
★予審判事まがいの「準備手続き裁判官」が公判前にシナリオ完成
刑弁センタ−提言は、連日開廷に備えるために、無罪答弁がなされた事件について準備手続きを行うとし、準備手続き裁判官は、「証人に対する出頭命令」「証拠の保持者に対する提出命令」「公判期日の決定」「証拠調べの決定」などの権限を有するとされています。これでは、早期の段階で十分な証拠を収集し得ない弁護側は完全に検察立証のペースにはめ込まれ、後に新主張や新証拠の提出すらできなくなります。弁護側のやっと見つけたアリバイ証人なども事前に開示を強要される結果、警察の妨害や圧力でつぶされてしまうでしょう。公判が始まる前に証拠調べの決定まで行うなど非公開・密室審理の強要です。公判開始前に有罪審理のシナリオが完成し、法廷は裁判員に追認させる儀式と化します。これが弁護士の(それも刑弁センターの)提案でしょうか、耳を疑い、目を覆いたくなります。やぶ蛇ですらなく、刑事裁判大改悪の補完であり、導水路です。
対案路線に終止符を!推進本部による刑事司法大改悪攻撃に真向から対決しよう!
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