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刑事弁護ガイドライン策定反対 ・通信No.64 02/10/25 <事務局連絡先>東京都港区北青山3−15−13−603 鈴木達夫法律事務所(TEL03−5467−8480)「弁護人抜き」「黙秘権否認」の裁判員制度
政府の推進本部裁判員制度検討会ヒアリング(9/24)で、裁判員制度のねらいが露呈しました。
<予断排除原則の解体・黙秘権侵害>
(最高裁)争点に集中した証拠調べ、徹底した争点整理を実現するため、受訴裁判所が主宰する準備手続きを設け当事者に争点の明示義務を課す/準備手続段階で明らかにしなかった主張や証拠調請求しなかった証拠は、原則として公判段階で提出することは許されない。
(法務省)被告人側は争点を明示する義務を負う/被告人自身の行動等被告人の応答を十分に期待できる部分について争点を明らかにしない場合には何らかの不利益措置を講ずる。
<連日開廷の法定化>
(法務省・最高裁)連日開廷の原則を法律に明示する/2年以内判決(来春に立法予定)。
<調書温存>
(法務省)裁判員制度の下でも供述調書を初めとする書面は重要な役割を果たす。
<弁抜き裁判・強権的訴訟指揮>
(法務省)弁護人が訴訟指揮に従わずに退廷・欠席した場合に審理を空転させずに対処しうる制度の導入。(最高裁)当事者の不当な言動、逸脱的な訴訟活動等に対する有効適切な規制。
こんなものは葬り去るしかありません。つぶそう!裁判員制度
「刑弁ハンドブック」−刑弁センター全体会で採決できず
刑弁センター執行部は、「刑弁ハンドブック」なるものを何がなんでも作ろうと、「設問集」を10月9日の全体会当日に配布しました。事前に検討する機会を与えず「採決強行」という常套手法は、多くの委員の反対で挫折しましたが、その項目を瞥見すれば、ガイドライン(それも1次案!)の焼き直しであることは明白です。 「真実義務」「着手金等の受領時における留意事項」 「複数当事者間の利害相反」「同時受任」「証拠隠滅等の回避」「証人威迫等の回避」「証拠の流出の防止」…。 義務と禁止ばかりのマニュアルが、どうして刑弁活動を強化するといえるのでしょうか。ハンドブックの仮面を被ったガイドライン復活を許すな!
日弁連・弁護士倫理委員会
弁倫の全面的改訂と法的拘束力付与へ *刑事法廷における弁護活動に関する倫理規程「弁護人は、正当な理由のない不出頭、退廷お よび辞任等不当な活動をしてはならない」(1979年5月26日・日弁連定期総会決議)
この決議は、1970年代の「東大闘争」裁判等における原則的弁護活動禁圧のため提案された「弁護人抜き裁判法」の廃案と引き換えになされたという経緯・性格をもちます。これだけでも、裁判所の強権的訴訟指揮を許し弁護活動を萎縮させるに十分な倫理規程です。
ところが、一昨年外部委員を加えて発足した日弁連・弁護士倫理委員会は、この弁倫をさらに全面改定し、かつ法廷拘束力をもたせる(=違反はただちに懲戒事由)ことに向けて、来年5月を期限に検討作業を続けています。しかも、その内容は刑弁センターにすら、まったく明らかにされていません。密室の弁護士倫理委員会を、即刻解散せよ!
共謀罪・裁判員制度に危機感 10.9弁護士・学者討論集会
さる10月9日二弁講堂で開催された「刑事司法改悪反対・治安立法阻止 弁護士・学者討論集会」では、およそ80名の参加のもと、一気に問題の核心に迫る論議が展開されました。
★秋山賢三さん(東弁・元裁判官) 最近の刑事裁判は悪くなっていると痛感している。司法審意見書は、戦後の再審・無罪裁判の総括が全然なされてなく、迅速のみということ。「少々の冤罪はしかたない」と思っているとしか考えられないような傾向と意識。裁判員制度にしても、現在のような状況が続く限り「最悪のシナリオ」を危惧せざるを得ない。
★足立昌勝教授(関東学院大学) 保安処分新法について。私は、法の真意を明らかにするために、“心神喪失者等処分法案”という。本当の問題は、私たちが、すべての人が平等であって隣の人に寛容である精神を持てるかどうか。精神障害者であっても一人の人間です。「彼らはだめなんだ。だから隔離しなければならない」という正当性はどこにもない。
共謀罪について。国際組織犯罪条約には「共謀」という言葉はどこにも出てこない。日本では共謀共同正犯論で共謀概念が非常に緩やかに使われているところを狙って、その語がそのまま構成要件に組み込まれている。法務省はズルすぎる。
★小田中聰樹教授(専修大学) 裁判員制度がどういうものと抱き合わせで出てきているかを見ることが大事です。「準備手続」や「連日開廷」による弁護・防御活動の制限、それに訴訟指揮権の強化。裁判員制度に一点の改善的要素はなく、葬ることに何のマイナスもないことを、私たちは説得してゆく必要があります。
有事立法との内的関連でいえば、あらゆる戦時立法は、究極は刑事特別法に収斂する。国民総動員体制は、刑事罰という担保なしには実効性をもち得ない。だから、刑事司法の改悪が有事体制の隠れた中心です。
資 料
共謀罪 法制審議会への法務省諮問案(骨子)
一 「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者」…5年以下の懲役・禁固。3年以上の懲役・禁固
二 「団体に不正権益を得させ、又は団体の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を共謀した者」…一と同様。
*ここにいう「団体」とは‘2人以上’。適用罪種は特別法も含めると約600、その広さから実質的に刑法総則の改悪(共犯従属性の否定)。
☆紹介:『裁判官はなぜ誤るのか』秋山賢三著(岩波新書・新刊)
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