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刑事弁護ガイドライン策定反対通信No.67      02/12/20

            <事務局連絡先>東京都港区北青山3−15−13−603  鈴木達夫法律事務所(TEL03−5467−8480)


12/10刑弁センター全体会報告
「裁判迅速化促進法案」、執行部案を否定して反対決議 

 刑事・民事の裁判の一審を「2年内に終わらせる」裁判迅速化促進法案が、来春国会に上程されます。これに対し、日弁連は「充実も」というだけで反対しないことを決め、刑弁センター執行部も結論を単に「危険である」とする意見書を提案しました。
 ところが「法案提出を目前に、なぜ反対と言えないのか」「刑事裁判に何が起こるか見えないのか」「これは治安立法だ」等々の意見が続出。結局>“審理期間を法定化することは反対”と修正・可決>され、刑事弁護の現場からの声が勝利しました。
 
政府・検討会で、日弁連はいわれっぱなし
 検討会は「各委員が言いっぱなし」(浦功委員)ではなく、立法を来年に控えて事務局・法務省・最高裁が刑事訴訟の大改悪を固める「日弁連、言われっぱなしの場」です。

第9回裁判員制度刑事検討会(11/20)議事録概要より

★重要証拠の開示ー弁護人は蚊帳の外へ!
「裁定に付される証拠はもともと開示したら困るというものだから、裁定手続きに弁護人が関与することは適切ではなく、インカメラで弊害を主張する検察官と裁判官だけが関与して行う」
★開示証拠の使用制限
「開示した証拠については当事者(弁護人)が責任をもって保管することとし、違反に対しては制裁を加えるべき…弁護士倫理だけで解決できる問題ではない」
★連日開廷は早朝から週末まで! したがわない私選弁護人は排除して制裁を!
「連日的開廷は法律に明記すべき。裁判員制度はそういう覚悟で導入すべきであり、条件整備はそれとして考えればよい」「週末を使うことがあっても良い、開廷時刻も午前10時でよいのか」
連日的開廷のための期日指定に理由なく応じない当事者への制裁、裁判所の訴訟指揮に従わない当事者への制裁等をもうけることが必要 私選弁護人が正当な理由なく連日的開廷に協
力しない場合に併せて国選弁護人を選任することができるようにする」  
 
「準則」の単位会制定を阻止しよう
 日弁連執行部が来年3月末までに各単位会に「要望」している「国費による弁護人の推薦等に関する規則等の制定」は、内容はもとより手続からしても容認できません。
 この「準則」は、懲戒処分を推薦停止事由にする(15条2項)など“最低”にとどまらない規制であるとの強い批判に対し、「日弁連と単位会との組織関係原則から、策定するかどうかは単位会の自由」と確認されたうえで制定されたものです。ところが、今回日弁連は、形こそ「要望」ですが、「モデル案に基づいて」「本準則の趣旨を損なわない内容のものを」制定することを各単位会に要求しているのです。
 公的弁護制度をめぐっては「運営主体は国が直接運営し、適切な弁護人を推薦する」と権力側の狙いが露骨に示され(前号参照)、また「国費による当番弁護士」などという私選弁護の排除制度が検討されています。公的弁護の正体を隠したままの、準則強制反対!
 
弁護士倫理の全面改訂−おそるべき内容
 日弁連「弁護士倫理委員会」が、外部委員を加えて進めている弁護士倫理の全面改訂の一端が明らかになりました。新設規定のおそるべき内容は、以下のとおりです。
▼「弁護士は、依頼者又はその業務従事者が依頼者の業務に関して違法な行為をしようとしていることを知ったときは、そのような行為をやめさせるように努めなければならない。」
▼「弁護士は、故意に依頼者が、犯罪的又は不正な行為をするに際し、助言し、又は助力してはならない。」
▼「弁護士は、以下のいずれかの目的のために、弁護士が必要と考える限度で情報の秘密を開示することができる。
 依頼者が差し迫った死、又は重大な身体の傷害の結果を生ずる行為を意図していると弁護士の考える犯罪行為を犯すことを防止する等の正当な事由があるとき。
  法令の規定により、情報の開示が義務づけられたとき。」
▼「弁護士は、他の弁護士が重大な弁護士倫理違反行為をしていると思料するにたりる相当の理由があるときは、当該弁護士に忠告し、もしくは当該弁護士が所属する弁護士会に事案を報告しなければならない。」
▼「弁護士は、公正かつ妥当な裁判の実現のために必要とされる手続を誠実に行わなければならない。」(現行第53条の修正)
 
やはり「ハンドブック」は、べからず集
【設問】会社ぐるみの犯罪だとして社員が参考人として呼び出されている場合に、その社員を呼び集めて会議をもつことはどうか。
【解説】会議の内容が「口裏合わせ」となる場合には、弁護人が通謀に加担することになる…参考人が虚偽供述を行うことは証拠隠滅罪に該当するとの有力な見解もあり(大塚仁他)、少なくとも弁護士倫理上「偽証のそそのかし」に違反することになる。…会議の形式を採ることには慎重でなければならない。
★以上は、策定中といわれる「刑弁ハンドブック」の設問・解説の一例です。仮に上記設例のような局面があったとして、正解は本来的にひとつではありえません。事件の経過と見通し、関係者の状況、弁護人との関係等によって、弁護方針は千差万別です。上記のような指針が一般化されたら、弁護士は「とにかく、やばそうだからやめておこう」ということにしかなりません。


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