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刑事弁護ガイドライン策定反対通信No.79      03/06/12

            <事務局連絡先>東京都港区北青山3−15−13−603  鈴木達夫法律事務所(TEL03−5467−8480)


6.6刑弁センター(熱海)報告
国営弁護(独立行政法人)を阻止する展望!
いまこそ、各単位会・刑弁委で大議論を
 日弁連刑弁センター第1回全体会議(6/6,7熱海)は、公的弁護の運営主体を「独立行政法人」(リーガルサービスセンター LSC)とする執行部案をめぐり大激論となりました。執行部は、「LSCは検討に値する」という文言を「検討対象とする」に変更するなどゴマカシを弄したものの反対や疑問が続出し、採決結果は、賛成票が過去最低の38、反対10と保留7を合わせた批判票は過去最高となりました。執行部肝いりといわれ100余名の委員を擁するこの刑弁センターですら賛成票がこの数とは。650名の弁護士・学者・労働者民衆が参加した5.22クレオ集会など反対運動の確実な反映です。批判の声を、さらに強力に!


【論議の紹介。○は反対 ●は賛成論】
○有事法が採決された。この「戦争をする国家」と刑事司法は関係ないのか。戦争体制に見合った、
 国家権力の側からの攻撃として公的弁護と裁判員制度がある。LSCは小泉行革の中心軸だ。
○2年前の埼玉国選シンポで、主務官庁が法務省となるなら拒否と運営主体に推薦権を持たせない
 ことを確認したはず。それがだめになっても(独法を)検討対象とするのか。ずるずる後退するのか。
○LSCが出来るなら、これを機会に刑事弁護をやめさせてもらいたいという意見が会内から出ている。
○そもそも刑事弁護に独法が適切とは思わない。外部評価もなされ弁護活動の自主性が守れない。
●独法でもLSCでもなんでもいい。国選弁護はもともと国営である。国家管理が嫌なら憲法改正すべ
 き。刑事弁護は公共財としての信頼性を確保するためにある。
●2ヶ月後にゴールが迫っている。残念だが受け容れるしかない。
○人権活動は公共財という発想は自由党・小沢改憲案のキーワード。独法の本質は、規制緩和と中
 央集権。主務官庁が中期計画や評価機関で統制。もはや推薦権は三者協議で相手にもされてい
 ない  



 独法(LSC)とは?  これで刑事弁護が闘えるのか!
★LSCは、政府推進本部・法務省・自民党司法制度調査会が一体で進めている構想
★主務官庁が法務省、理事長は法務大臣が任命。理事会は法定機関ではない。
★法務大臣が中期目標(効率化達成目標)を指示。否認事件は非効率の典型
★法務省に設置される「外部有識者」の評価機関が実績評価。
★常勤弁護士は、就業規則とガイドライン(準則)でがんじがらめ。
 


共謀罪の成立を阻もう! 医療観察法の採決弾劾


 刑事裁判手続の全面改悪へ    5.30政府検討会素案
 政府の裁判員制度・刑事検討会は、5月30日に「刑事裁判の充実・迅速化」について討議を行い素案(叩き台その1)を発表。公判中心主義を解体し、迅速化のために被告・弁護側の防御権を決定的に制約する「最悪のシナリオ」の前半です。絶対に阻止しよう!
◆準備手続の強制  →憲法82条(裁判の公開)違反
 ・全事件について裁判所が必要と認めるとき準備手続強制(裁判員制度事件では必要的)
 ・準備手続の内容 「訴因又は罰条を明確にする」「証拠開示に関する裁定」「証拠能力の判断のための事実調べ」「証拠調べの請求、決定、順序及び方法の決定」
  ⇒公開法廷での求釈明論争はなくなり検事は大喜び。そして、証拠開示、自白の任意性判断、証拠決定など刑事裁判の重要事項がすべて密室で決定され、公判は単なる儀式に。
 ・「準備手続は受訴裁判所が主宰」→起訴状一本主義はどこへ?
 ・主張の明示義務 「被告人又は弁護人は、公判廷において、検察官主張事実の全部又は一部を否認する主張、関係する事実の主張その他事件に関する主張をする場合…準備手続きにおいて、あらかじめこれを明らかにしなければならない」
 ⇒争点整理の名の下に争点の明示や認否が義務化され、主張をぎりぎりに絞られて防御の幅が切りつめられます。公訴棄却などの主張も「整理」の対象になります。
◆証拠開示→検察官は限定開示、弁護人は全面開示!
 ・検察官―「検察官主張事実の証明に用いる証拠」だけが開示。それ以外は「検察官が保管する証拠の標目」の中から「開示により弊害」が生じるおそれのないものだけが開示。警察が保持している重要な証拠は開示対象外。
 ・弁護人―「弁護人は取調を請求する証拠があるときは、準備手続きにおいてその取調を請求し、かつこれを開示しなければならない」
◆失権効→すべて準備手続で
 ・「やむを得ない事由…を除き、準備手続き終了後に確認された争点と異なる主張をすることはできないものとする」
 ・「やむを得ない事由によって請求をすることが出来なかった場合を除き、準備手続きの終了後に新たな証拠の取調請求をすることは出来ないものとする」
◆開示証拠の目的外使用禁止→裁判の密室化 裁判批判を一切封殺
 「被告人及び弁護人は、開示された証拠の写しやその内容を当該被告事件の審理の準備 以外の目的で使用してはならな」違反したときは「○年以下の懲役又は○万円以下の罰金 に処する」
 
 こうした刑事訴訟手続の大改悪が、裁判員制度を水路に導入されようとしています。“市民の司法参加”とは、「司法における国民総動員体制」(小田中教授)です。弁護士の渾身の決起を!


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